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祥太くんへ
出会いは祥太くんがまだ小学生だったころ、私の“ことばあそび”のステージを見にきてくれたときにはじまる。上演中、車椅子の祥太くんは澄んだ目を大きく見開き、体ごとでことばを感じてくれていた。
それから何年か後、祥太くんのお母さんの中畝治子さんと私は、ソファーに横たわっている祥太くんの傍らで、ミッチーくんが主人公で、この本のもとになったジャパンタイムズのWord Playの仕事をするようになっていた。
ある日、突然の訃報を聞いてかけつけた。
目を閉じて永遠の眠りについた17歳の祥太くんは安らかで美しかった。私には不自由な体から解き放たれた祥太くんがいま、新しい旅立ちに向かってよみがえったように見えた。私はごく自然に、
“祥太くん!いってらっしゃい!”と声を掛けた。
ミッチーくんは、ひとこともしゃべらないし、すごく細くて祥太くんそっくり。
私には中畝治子さんが描くミッチーくんのなかに、祥太くんは生きていると思えてならない。ミッチーくんが通ると風がうたう。木の葉がひらひら舞う。星がきらりとひかる。祥太くんはオノマトペの精ミッチーとして生きつづけ、歩きつづける。そしていま、ミッチーくんは本という翼に乗って旅立とうとしている。
“ミッチーくん! いってらっしゃい!”
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